アーティストインタビュー:松下太紀さん
2021.10.14
地域や人とのコミュニケーションも制作の原動力
アーティスト:松下太紀さん(宮崎市出身)
宮崎県内を中心に平面、立体、パフォーマンスなどジャンルを問わず精力的に活動する松下太紀さん。新富芸術祭での流木を使った「龍」の制作は、ワークショップ以外に現地での公開制作も予定しています。一度ならず二度三度と見る楽しみがありそうです。
Q.松下さんは一言で言うと、どんなアート活動を?
松下さん:「絵が好き」を原点に、アクリル画を描いたりものづくりをしたり、パフォーマンスをしたり…と活動はいろいろです。アートという言葉は僕自身は使わなくて、「表現する」という方がぴったりかなと思います。
Q.表現するときに大切にしていることはありますか?
松下さん:地域の人や関わってくれる人の顔を思いながら、楽しんでもらえるかなーと想像しながらやっています。新富芸術祭では水沼神社の藤棚あたりで公開制作する予定なので、来てくれた人や地域の人たちとコミュニケーションを図りながら、一緒に作っていく感覚を大切にしたいですね。
Q.新富町のこれまでのイメージと、足を運んでみて気づいたこと・感じたことを教えてください。
松下さん:正直なところ、これまで国道10号線を通り抜けるだけでした。でも今回案内してもらって、いろんな場所やその風景、地域の思いを感じることができたら、まったく違った風景に見えてきました。ぜひ皆さんにも僕と一緒に、10号線から脇道に入ってあちこち迷いながら(笑)これまでと違う新富の風景を見て楽しんでほしいなって思います。
Q.新富芸術祭で掲げている「農業は芸術(アート)」この考え方をどう感じますか?
松下さん:そうですね、それもあると思いますが、農業以外もすべてみなさんの「表現」です。もっと分解して捉えると、今日どうしてその服を選んだのか、なぜそれを食べるのか、そういう一つひとつがその人が自分を「表現」した結果。日常の全てが「表現」だと思うんです。
Q.新富町でのワークショップ、作品展示に対して今どんな準備を?
松下さん:僕たちが町を案内してもらった日、ものすごく天気が悪くて(笑)。水面を覆うハスの葉が龍のうろこのように見えて、龍が泳いでいるみたいだったんです。そこで富田浜で拾った流木を使って龍を制作することにしました。流木って山、陸、川、海を経験している存在。一つひとつにストーリーを感じながら、組み立てています。
Q.町民そして来場者へメッセージを。
松下さん:新富町の初めての現地視察の日は荒天でしたが、そんな日だからこそ見れた景色が今作のきっかけとなりました。
富田浜で、作品素材の流木を拾っていると「タイミングがズレたら、この流木を拾えなかったんだなぁ」と思うと同時に、新富町を訪れるタイミングが違えば、例えば晴天の日に視察をしていたら、まったく別の作品になってたと感じてます。
公開制作の進み具合、天候や季節など見てもらうタイミングで印象が変わる表現ができたら良いなぁと思ってます!
▲制作中の龍の頭部分(2021年10月13日松下さん撮影)
*「制作の過程も楽しんでもらえたら」と松下さん。公開制作の情報は松下さんの下記SNSから発信されます。
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