アーティストインタビュー:寺本香織さん
2021.10.07

表現の舞台は町の玄関口・日向新富駅!
宮崎市の楠並木通りにアトリエを構え、絵画教室を運営している寺本香織さん。新富芸術祭では日向新富駅の駅舎を舞台にワークショップを予定しています。約3カ月の会期中、いつもと違った駅に生まれ変わりそうです。
Q.福岡生まれで大阪育ち、フィンランドへの留学に加え上海での生活も長い寺本さん。宮崎県の新富町を訪れて、どんなことを感じましたか?
寺本さん:芸術祭プロデューサーの甲斐さんから新富町を視察案内して頂きました。アカウミガメの生態に寄り添い見守る町民は、我が子を守る母親の様な愛に包まれていて、その寄り添う姿に感動しました。アカウミガメが富田浜に帰ってこれるよう調査したり、毎日清掃したり。町民のみなさんが、生活の一部として自然に関わりを持っていらっしゃる。本当に素敵な事です。
Q.町に暮らす人々の様子はいかがですか?
寺本さん:人間が生きる本来の育みを大切に生きている。そう感じました。土に近いところで、そこにあるものと共に生きている様子は美しいなと感じます。
戦闘機ってもちろんカッコ良いんだけど、戦闘機が空を飛んでいる日常ってきっと想像以上に大変だと思うんです。それでも受け入れている。今ある環境に、たとえ新しいものが急に入ってきたとしても、大丈夫、大丈夫。と大きな器で見守る強さを町に暮らす人々から感じますね。
Q.町内を視察された中で、他にも心を動かされたことはありますか?
寺本さん:貴重な糸引きレンコン、お茶畑、古民家、農家さん…たくさんありました!
Q.寺本さんのワークショップは10/16(土)と、まもなくですね。ワークショップで楽しみなことは?
寺本さん:新富と繋がりのある中高生が参加してくれるとの事ですよね。子どもでも大人でもない熱量の高い時期の彼らとの関わり自体を楽しみにしていますし、どんなものを生み出せるのか、どの様な形で舵をきろうか。一番、意識の高い所で創り出す為の準備を整えているところです。参加メンバーのみなさん、どうぞ宜しくお願い致します。

▲日向新富駅。ふだんの駅舎内の様子
Q.新富町は今、初めての芸術祭開催に向けて爆進中。参加アーティストとして、今どのように感じますか?
寺本さん:とにかく土台となる第一回目の新富芸術祭をやりきることに集中力を注ぎたいですね。関係者の方々からは、ゼロから生み出そうとするパワーに熱量を感じています。なので、私もその熱量にお応えできればと感じていますし、私らしい関わりを持っていきたいと感じています。まあ、熱く、泥くさくですかね。笑
どうぞ宜しくお願い致します。
それは暮らしにそよ風がふく町だし。
それはそれは心地良くって。
そのぽかぽか日差しでお昼寝、お茶を飲んで浜辺をお散歩。
それは特別なのではなくて、それが日常の暮らしそのもの。
そこにあるもの、側にあるものと町民はいつも距離が近いところ。
そんな新富。それが新富。
<written by Kaori Teramoto>